紙相撲大会!

2025.1.16

毎年1回、さつき園の入居者様が小学校の授業に参加する活動、題して「紙相撲大会」が6月に行われました。紙相撲大会に形を変えたのは昨年で今年は2度目の大会です。大会を盛り上げるため、様々な工夫をおこないました。

一つ目の工夫は「勝つこと」です。え・・・・と思ったそこのあなた!小学生相手にと思っていませんか?入居者様は昭和初期中期に生まれ育ち、「遊び」と言えばその辺に落ちている木や石を使って的に当てるといったことです。そう、入居者様は今ある「おもちゃ」ではなく、「そこにある物」で遊びを考え過ごしてきた「遊びのプロ」です。年を重ねた=できないことが多いではありません。私たちさつき園は「遊んであげる」ためではなく、「勝つ」ために準備として、リーダー研修会・強化練習会を通じて「どうしたら勝てるのか?」とチームごとに考え練習をしました。

そして次は「手作り」です。さつき園の入居者様は制作や折り紙、洋裁など様々な特技を持っている入居者様がそれぞれの担当に分かれ準備をおこないます。紙相撲で使用する相撲は折り紙で、土俵は段ボールや毛糸を使って、交流のプレゼント(ミサンガ)は刺繍糸、そして優勝旗はミシンで、使うものすべて手作りにこだわり、出来上がっていく喜びを入居者様が感じ、より楽しめるよう工夫しています。

最後は、「当日も主役は入居者様」です。時間に限りがあるため、司会進行は職員がおこないますが、ルール説明や結果発表、椅子の配置なども入居者様が担います。「自分が行わなければならない。」=「役割」を持っていただくことを意識し、活動します。今年度は2学年の生徒とさつき園が勝負をすることになり、多くの児童に伝え動かしていく必要がありました。一般型のさつき園の職員の人数は一桁・・・・・入居者様の力で活動を盛り上げていきます。さらに、小学生が読んだ挑戦状にこたえて、キャラクターにコスプレした入居者様が「よもや、よもや」と歩いたと思えば、前に立ち体育館に響き渡る声で「応戦状」を読み始めました。子どもたちも何がはじまるのか、前に立つキャラクターに扮した入居者様に釘付けの中、入居者様は子どもたちに「どれどれ、今日集まった小学生の顔を見せてくれ。」「よもやよもや、我々が負けることはないだろう。」と大きな声で伝えました。

一つの活動の中にたくさんの活動を生み出し、さらに入居者様の役割を見つけ、一人ではなくチームとして作り上げるさつき園の活動はただのボランティア集団ではなく、ボランティアのプロ集団です。現在10個以上の地域の活動を年間通じて行っております。ボランティア活動の目的は「入居者様の強みを活かし、日常生活の質を向上させる」ことはもちろんのこと、さつき園のある地域にお住まいの方々が手を取り合って生活することができる「きっかけ」を作ることです。さつき園では入居者様が活動を楽しめるよう、様々な工夫をおこないながら、今後も張り切って活動を続けてまいりたいと思います。


生活相談員 清水 育絵