ケアハウスの生活支援とは

2014.6.20

早いもので、施設長として就任してからもう一年が過ぎてしまいました。この一年、現場スタッフに問うてきたことは「ケアハウスでの生活支援のあり方」を根本から考えるということであったように思います。

ケアハウスの入居者さんは特別養護老人ホームとは違い、基本的に身体的な介助を必要としている方たちではありません。入居者さんは何をニーズとして求めているのか、私たちはどういう役割を期待されているのか、実践を通じながらスタッフと一緒に考えてきた一年でした。

目の当たりに見るケアハウスの生活支援は、行事・イベント中心のものが多く、与えられることが当たり前になり、提供することが当たり前になっていました。しかしながら、そういった状況下で、入居者さんは決して自立に向かうことはありません。入居者さんの持っている生活能力を引き出すこと、そして生活意欲を高めていくことがケア従事者の役割であり、求められていることでしょう。

そのためには一人ひとりを「知る」ことが少なくとも必要となってきます。今年度、藤花では介護業務の内容を大きく変更しました。入居者さんとかかわる場面をスケジュールの中に盛り込み、あらためて一人ひとりを「知る」ところからケアハウスでの生活支援を考えていこうとしています。

スタッフのかかわり方が変われば、入居者さんの意識もまた変わってきます。昨年度、「認知症サポーター養成講座」を藤花では行いました。偏見や誤解に振り回されず、入居者さん一人ひとりに「認知症」を考えてもらいたかったからです。また、行事やイベントをスタッフと一緒に考え、取り組んでいくための工夫をしてきました。本当に・・・本当に少しずつではありますが、お互いを思いやる、弱い人・困っている人を助ける、生活を自発的に創るなど、スタッフと入居者さん自身の意識も変わってきたのではないかと感じています。

理念に基づき、目指すべき目標をハッキリとさせることで、スッタフも自信をもって歩くことができます。現場のスタッフが、胸を張って、活き活きと仕事に取り組んでいける環境を創ることが、施設長としての私の役割だと思っています。

入居者さんとスタッフに日頃の感謝を込めて、


施設長 保坂 昌知
ケアハウスの生活支援とは
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