青天の霹靂

2017.10.30

我が家には、スタンダードプードルという大型犬がいます。
雄で名前はビートと言います。
ビートは毎週、日曜日に近所のドッグランでお友達と遊ぶことが唯一の楽しみです。
今年で11歳となり、最近では足腰も弱くなり、ドッグランでは走るというよりもお友達の後をトコトコと歩き回ることが多くなりました。
先日もいつものように、ドッグランに行ったところ、この日は珍しく元気に走り回っていてとても楽しそうでした。
ところが、この二日後の夜、急にご飯を食べなくなり、ぐったりとして、いつもと様子が変なので、翌日病院で検査した結果、「免疫介在性溶血性貧血」という診断を受けました。
これは、自己の免疫が突然、自らの赤血球を異物と見なし攻撃をするため、赤血球を造っても、造っても、破壊が止まらない。その結果、重度の貧血を起こし、致死率の高い病気とわかり、すぐに緊急入院し免疫抑制剤を投与することになりました。
この前まで元気に走り回っていたのに、なんで・・?なんでうちの子が・・・??
まさに青天の霹靂でした。
でも、この病気は原因不明で、ある日突然に発症するらしいのです。
その後、院長先生から貧血が悪化して輸血が必要なので、誰か知り合いで輸血できる大型犬がいませんかという電話があり、早速犬仲間のお友達に連絡したところ、フェイスブックやインスタで皆さんに呼びかけてくれました。
そのお蔭で二人の大型犬の飼い主さんから、「いつでも輸血に協力しますよ」と大変ありがたい言葉をもらい、涙が出そうになりました。
幸いにも、院長先生の大型犬の血液が一致したので、輸血をすることが出来ました。
しかし、1週間経っても、依然病状も良くならず徐々に数値も低下してきたため、院長先生から覚悟して下さいと言われました。
今まで、身近で亡くなっていくお友達を沢山見てきており、大型犬の寿命は10年くらいと聞いていたので、我が家にもついにその日が来たのかと覚悟しました。
でもあまりにも突然すぎる出来事に茫然としました。
半ばあきらめかけていた時、院長先生から「治療が功を奏して病状が好転し、数値も落ち着いてきたので、これなら退院できそうですよ」との電話がありました。
すぐに病院へ行き、待合室に入った時でした。奥の方から大きな声が聞こえました。
あの声はビートだとすぐに分かりました。入院中、一度も吠える事がなかったのに・・
これで確信しました。奇跡が起きた!!と
今後は体調を見ながらの通院が必要ですが、神さまがもう少しだけ命を与えてくれた
のです。 涙が溢れました。


施設長 上田 均
青天の霹靂

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