我が家の庭、西岡水源地公園
腰の手術を終え令和2年度はなにをやろうか? みんなと快気祝いをいつやろうか?
など楽しいことをいっぱい考えていた退院間近の昨年2月、世にも恐ろしい新型コロナウイルスという怪物が日本に襲いかかろうとしていた。
あれから1年半後、全世界を飲み込んだこの怪物は居座り、なかなか立ち去ろうとしない。十分向き合ったのだから、許してもらいたいが、どうやらまだお許しは出ない。1年間のスケジュールはもろくも崩れ、これからも地道に対策をして行くほかないらしい。
いつも偉そうに主張していた入居者の自己決定や社会人としての位置づけと、多くの規制とのジレンマを抱えながらの施設経営は、悲しいが、まだしばらく続きそうだ。
旅行にも、居酒屋にも、街中にも、映画にも行けない私の楽しみは、夫婦(たまには愛犬リンカも同行)での散歩である。定番は当施設から徒歩で15分、自宅の目の前にある西岡水源池公園。
池をぐるりと一周すると40分位、少し白旗山方向へと足を延ばすと1時間、それ以上はクマが怖いので行かない。四季折々の風景と、ちょっとした上がり下がりが、70歳ちょっと前の私にはちょうどいい。同年配と察する人たちと、ゆったりとした歩調で行き交う光景も気に入っているが、依然としてマスクを外せないことが、現実へと引き戻される。
最近は、カメラマンがやたらと増えた。被写体は不倫現場の芸能人ではなく、水辺の可愛い鳥たち。一様に大きな望遠レンズ(高そう~!)を担いで、一瞬を狙っているようだ。撮影スポットのたくさんのカメラマンの後ろを、撮影の邪魔にならぬように、鳥を驚かせないようにと息を凝らしてそーっと歩いていく。
少し坂道を上り、階段を下る。池から流れ出る小川では、水遊びをする子どもたち。きゃっきゃと大きな声ではしゃいでいる。
静と動を感じつつ、帰路に向かう。
自然豊かな公園の近隣に住めることに感謝しつつ、「早くみんなと、居酒屋に行きたーい」と俗的な心が沸々と溢れ出る、今日この頃の私である。
因みに、ここ西岡水源池は札幌の心霊スポット上位にランキングされているらしい。夜間、無数の手が池からにょきにょきと現れるそうで、「犬神家の一族」の逆さ足ばりにインパクトがある。その手たちは生命線が短く薄幸の手相をしているのかと想像してしまう私は、ちょっと変だろうか?。
写真:札幌市ホームページより、西岡水源地公園